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  ■■■ 流 木 の 話 38 ■■■
 

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        流木の話 38 ■ 流木アート教室 in 九頭竜(福井県) ■
            
               = ダム湖流木の再活用について = 
 
 
 「NPO法人九頭竜自然楽校」の清水さんから電話があったのは07年9月のことでした。福井県の九頭竜(くずりゅう)国民保養地で毎年秋に行われている「九頭竜紅葉まつり」のイベントの一つとして「流木アート教室」の講師を務めてくれないか、との依頼でした。 

    ■福井県地図(「Mapion」より転載)


 ダムに溜まる流木の再活用をとの趣旨から、「九頭竜川ダム」と「NPO法人九頭竜自然楽校」が、毎年流木の無料配布と流木アート教室を実施しています。今年は私が講師として流木作品作りの指導をスタッフと共にすることになったのです。
  
 10月27日(土)と28日(日)の両日で延べ100人近くの方が流木を素材に小物から大作まで、おもいおもいに作品作りを楽しんでいました。併せて実施された流木素材の無料配布では、大型トラック2台分の流木がほぼきれいになくなってしまいました。
  
      
          所狭しと積まれていた流木も2日目の午後には・・・
 
 流木教室は1時間半の講座を1日3回、各5組(10人)というスケジュールで始まりましたが、天気が良かった2日目などは受講希望者も多く、休憩を取る間もないほどの盛況でした。
 
 さて、流木アート教室では、まず、道具の説明と見本作品を使っての作り方の説明、それから・・・参考までに、流木を素材にしたモノ作りの基本をここでちょっと・・・
 
 
流木工作の基本
 
 流木作品の作り方の基本は、流木同士の接着法を覚えることです。その方法にはいくつかありますが、そのほとんどはビス(ネジくぎ)で留める方法です。釘と金づちでは曲面同士の接着は難しい場合があり、また割れたりすることも多いので使いません。
 
 ビスでの留め方は、まず接着部分に電気ドリルで下穴を開けます。それから、電気ドリルの先をドライバーに差し替えて、ビスをねじ込んで留めます。この電気ドリルとビスによる流木同士の接着法を覚えると、後は流木素材の組み合わせと発想次第で実用的なものからアート的なものまでいろんなものができます。
 
 それから、もう一つ、「流木を切る」作業があるのですが、女性や子供でも使える「ジグソウ」という電動ノコを主に使っています。ノコでも構わないのですが、労力や時間のことを考えると、やはり電動の方が効率的なようです。
 
 次に流木素材についても、その概略を知っておいた方が発想が広がると思います。流木素材はその形などから、主に次の3種類に分けることができます。
 
 1.枝や幹などの棒状流木
 2.根や変形の破片などの塊状流木
 3.板流木(人間が一度使ったものが、川や海に捨てられ流木になったもの)
 
 これらの組み合わせ方は千差万別で、発想と工夫でさまざまなものができます。それから、作る人の個性が必ず出るもので、こんな講習をやっていると、こちらが教えられることも多々あります。
 
 ともかく流木という素材は、立木などが何らかの理由で、川や海に投げ出され、水などの自然の作用によって形を変えていったものです。いつも思うことですが、「自然が作るものに同じものは決してない」、流木も一つ一つ形や色合いが違います。だから、出来上がったものも決して同じものはできません。
 
 流木素材の最大の特徴は唯一無二の曲面的な造形にあると思っています。ですから、この流木の造形をどのように活かすかがポイントになり、あまり加工し過ぎない方が面白い作品ができることが多いようです。
 
 板流木は一度人間が使ったものですが、実用的なものを作るのに欠かせない素材です。今回は板流木が全くなかったので、急きょ、太い流木幹をチェーンソーで輪切りにし、円形や楕円形の板状にして使いました。
 
     
     輪切り材と棒状流木を使って飾り台(ミニ椅子)を作っているところ
 
 
ダム湖流木の再活用について
 
 渓流域に造られた山奥のダム湖には多量の流木が流れ込み、ダム稼働の邪魔者としてダム管理者を悩ませています。それらの流木は焼却処分(野焼)されることが多かったのですが、廃棄物処理法の改正(平成13年)により野焼きが禁止され、近年は一般廃棄物処理業者にその処分を委託する場合が多いようです。また、最近は費用の面やエコロジーの観点から、流木の再活用に取り組むダムも増えてきています。
 
 流木の再活用には次のような施策があります。
  ○チップ化し肥料として再活用する。
  ○炭焼きの原料にする。
  ○インテリアや家具の素材・園芸資材として、一般に無料配布する。
 
 この中で私が一番興味を持っているのが、工芸素材としての流木の再活用です。「流木の造形は自然が創り出したアートである」と思う者にとって、高額の費用をかけて焼却処分されるよりは、インテリア・家具あるいはアート作品として、人々の生活の中で流木が再生されることを願うものです。
 
 いくつかのダムでは、流木無料配布の広報活動の一環として「流木アートコンテスト」などを開催しているところもあります。今回の九頭竜でのイベントもその一つと言えるでしょう。ただ、工芸素材としての認知度が低いことや、それぞれのダムが個別に取り組んでおり、大きなうねりには至ってないのが残念です。
 
 この活動をもっと広がりのあるものにするには、「九頭竜自然楽校」のようなNPO法人の活動が必要ではと思われるのです。
 ダム管理者にとって流木は厄介もので、その処理には莫大な費用がかかります。一方、流木は工芸素材として優れた特性を持っており、それを必要とする人も多いはずです。
 
 そんな両者をつなぎ、啓蒙的な広報活動も含め、実効的な活動を企画運営する機関の誕生が望まれます。私も個人的には取り組んでいますが、力不足です。
 難しい問題があることも承知していますが、「流木は自然に優しい素晴らしい資源である」ことも事実なのです。
 
 

  九頭竜自然楽校 ⇒ http://www.kuzuryu158.net/index.html 
  九頭竜川ダム ⇒ http://www.kkr.mlit.go.jp/kuzuryu/index.html

 
 

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